ひっそりと貼りだした募集要項。応募者はたったの1名だけ!
平成29年の2月1日から6日。シルバー人材センターの玄関に、ひっそりと職員募集の貼り紙が貼られました。シルバー人材センターの玄関は分かりづらく、案内看板が立っているほどです。市の外郭団体なのに、この正職員募集は市報にすら載りませんでした。また採用試験の申し込みは2月13日とわずか1日だけ。市民や世間の目に触れないように職員募集をしたので、応募者は1名だけでした。
不自然な受験資格!出来レースなのでは?
この時、シルバー人材センターが募集したのは、総合事務の職員1名でした。職務内容は、高齢者の就業機会の確保・提供や、会計・契約などの日常業務で、一般的な事務仕事です。なのに、受験資格に不自然な記載がありました。
受験資格 (4)学士(保健衛生学)学位及び衛生検査技師の資格をお持ちの方
受験資格の(1)には大学卒業以上と明記してあります。そのうえで、保険衛生学の大学卒業の学位も受験資格にしているのはどうしてでしょうか?無理に受験資格を細工しています。最初からコネで採用を決めていたからではないでしょうか?シルバー人材センターの事務は衛生検査技師の資格がないと務まらないのですか?無茶苦茶な話です。
採用されたのは、市役所元幹部の息子!
平成29年2月18日、たった一人の応募者に、作文と面接だけの採用試験が行われました。結果は言うまでもありません。4月1日付けで採用されました。
採用された方は、45歳の男性で、市役所元幹部の息子さんでした。人事院規則8-12の2条には、「職員の任免は、情実人事を求める圧力又は働きかけその他の不当な影響を受けて行ってはならず、公正に行わなければならない。」と明記されてます。シルバー人材センターは市の外郭団体なので、人事院規則の適用外です。でも、公的機関の採用試験です。公正に行うのが当たり前です。
採用は市長の意向?
採用試験の経緯を関係者に聞いてみたところ、「市長(当時)の意向だと言われて仕方がなかった。」という証言が次々に出てきました。それを裏付けるかのように、シルバー人材センターの増員が、すんなり通っています。それまで、シルバー人材センターで正規職員増員の要望がすんなり認められたことはなありませんでした。なのに、平成29年は、「人手不足で困っているわけでもないのに、職員増員が上の方で決まり、唐突感があった。」とのことです。不自然さが残ります。
今年2月に市長(当時)が亡くなられたので、真相を問う事はできません。市長は、市役所の大先輩からの依頼で断れなかったのか?それとも、市長の名を勝手に騙って、採用試験を行ったのか?
1年半ほど前に、宝塚市が就職氷河期世代を対象に3名の事務職員を募集しました。その時は1800名以上の応募があり、倍率は600倍にもなり話題となりました。一方、シルバー人材センターでは応募者がたったの1名だけ!公的機関の正職員募集です。しかも年齢制限は45歳以下。こんなことありえますか!
シルバー人材センター事業実績急降下!
コロナ禍ということもあり、毎年4億7千万円以上もあったシルバー人材センターの契約金額が、令和2年度は12月末時点で、約3億3600万円と急減しています。「高齢者は新型コロナが悪化しやすい。」という報道もあり、各種業務での人員確保に事務局は苦労されていることがうかがえます。
そんな中、この市役所元幹部の息子さんは病欠などの理由で、年間100日前後休暇を取っていることが開示文書でわかりました。この休暇とは別に土日・祝日、正月休みなどがあります。ですので、200日以上も休んでいる計算になります。好待遇の正職員が休みがちでは、酷暑や雨でも働いている会員さんの士気が下がるのではないでしょうか?事業実績の低下はコロナ禍だけが理由ではないのかもしれません。
武蔵村山市シルバー人材センターは会員の加入率や実績が、全国トップクラスで、お手本とされる事業所です。そこで、このような事が起きていたとは残念でなりません。