「拉致と国防に関するシンポジウム2 誰が戦い、何を守るのか」 が開催されましたので、参加してきました。
拓大のどの教室だったけと、うろうろしていたら、エレベーターに乗り込もうとする人がいたので、この人について行けばいいかなとおもったら、なんと増元照明さんでした。・・・・・・これで迷うことがないと一安心。
「あら、天目石さん久しぶり!」
私は、しょっちゅう会っているように思っていたんですが、よく考えれば増元さんが司会している会に足を運んでいるばかりなのでお会いするのは久しぶりなのかもしれません。
今回のシンポジウムのパネラーは
荒木和博 特定失踪者問題調査会代表
田母神 俊雄 前航空幕僚長
増元照明 北朝鮮による拉致被害者家族連絡会 事務局長
矢野 義昭 元陸上自衛隊小平学校副校長
という、かなり信念を持った意見を述べる方たちばかりです。まず、ひとりづつ10分ほどで意見を述べられ、他の方の話を聞き、また10分程度意見を述べるという形で進められました。
まず、
荒木代表が、韓国軍の天安沈没事件の疑問に触れて、天安沈没の直後、近くを航行中の韓国軍の「ソクチョ」が136発発砲をしている。鳥の群れに向かって撃ったと発表されているが、鳥の群れなら1発で充分である。敵(北朝鮮軍)が見えたのでないか?
矢野副校長からは、北朝鮮とイランの関係の解説でした。現在、イランはウラン濃縮を進めていて、年内には核ミサイルに必要な濃縮が完了してしまう。ヨーロッパ諸国やアメリカは大変な危機感を持って注目している。今回の事件は米軍の目をそらすための同盟国 北朝鮮の作戦ではないだろうか?
田母神閣下は、「危険人物の田母神です。」のお約束のギャグのあと、
・政治が国を守る事を忘れてしまっている。これでは拉致問題を解決できない。
・軍事力のバランスが取れないと外交交渉なんて出来ない。
・情報収集能力が低くて、韓国など他国の発表の裏を取れない。
と問題点を提起されました。
荒谷館長は、昨今、日本の発言力が低下してきていると言われている。発言力の低下は経済力の低下から来ていると考えられているが、そうではない。経済力があっても安全保障問題に取り組んでいないから低下しているのではないか。
この国を守るという国民の意思が国防の原点である。
増元さんは、情報収集の話をされ、以前から、中朝国境地域で情報収集をしてくれと政府に要望しているのに全くしていない。加えて、日本政府はアメリカ政府の持っている情報の要望すらしていない。拉致被害者救出のために全く情報収集をしない日本政府の姿勢を糾されました。
発言が一回りして、情報というテーマがクローズアップされてきて
再び荒木代表が、自衛隊に情報課が新設され、少しづつ状況は良くなってきている。中朝国境の情報といってもガセネタもかなり掴まされてしまう覚悟をしないといけない。情報収集は北朝鮮の公式発表やインターネットのグーグルアースでもかなりの事が分かる。実際、グーグルアースから北朝鮮の全駅を調べ上げた人がいる。
矢野副校長は各国の軍事費の対GNP費の伸びの比較を紹介されました。現在軍事費率が大幅に伸びているのは、中国・ロシア・イラン。西欧諸国の軍事費率は低下傾向にある。日本の軍事比率はGNPの1%程度、世界平均の3分の1でしかない。一方、北朝鮮は30%となっている。北朝鮮も日本も異常である。
田母神閣下は、軍事比率の話題が出た事もあり。
「自衛隊は忙しいから、侵略戦争なんかやってる暇ないんだよ!」と。そのあと、日米安保条約に触れ、日米安保条約で万が一の時にアメリカ軍が守ってくれるというのは幻想でしかない。まず、大統領の承認が必要である。そして、2ヶ月後には議会の承認が必要である。仮に、尖閣諸島が中国に攻撃された時、安保条約は発動するだろうか?中国に、「アメリカ国債を売るぞ!」と言われたら、アメリカ軍は動かないのではないか?
戦争になったらという話も出たので。
増元 軍隊があるから戦争が起こると言っている人達がいるが、彼は北朝鮮が来た時どうするつもりなのだろうか?金正日は軍隊はいらないなどと言う人達を最も嫌っているというのに。そんな事言っている人がまず最初に収容所に入れられるのがわからないのだろうか?
たった100人の国民を取り戻せない国家は、国家ではない。
現状はどうなのかという点から
矢野副校長は国防は、国民が戦って自らを守るのが原則であり、自衛隊にだけ任せておけば良い問題でない。実際、一般の人は銃の扱い方も知らないし非常に危険である。拉致被害者救出には、自衛隊に対し法律を整備し、権限と任務をあたえなくてはならない。現状では北朝鮮に行って救出する体制に無いし、全く訓練をしていないので、体制を作るのは20年ぐらいかかるのではないか?
潜入工作員によって救出するのが当面の方法ではないか。
拉致被害者救出の体制を組めておらず、現状では不可能という話に、場内は静まりかえってしまいました。
恐ろしく厳しい現実に
増元さんから、一人一人が行動し、日本人を覚醒させるための、たたかいをはじめなくてはならないという話と、お姉さんが帰国後「北朝鮮に拉致をされて、自分の人生に何の意味があったのだ。」と問われた時に、「日本がまともな国になるための流れを作ったんだ。」と伝えたいと目を潤ませながら語ってられました。
最後に、司会者の方から、一人一人が自分が出来る事を考えていってください。という話で終わりました。
また、友人の加藤健氏は、ヨーロッパの議員やアメリカの議員、大統領からエリザベス女王まで片っ端から、スイス銀行の金正日の秘密口座の凍結と拉致被害者救出を訴える手紙やメールを送っています。 実際、欧米の議員や王族がきちんと返事を返してくれるんだそうです。「日本政府が取り組む話ではないのか?」という返事も多いそうですが。
でも、拉致問題や国防に関して、どの政党や政治家も口先だけ上手い事言っているように感じてしまいます。