武蔵村山市議会議員 天目石要一郎(あまめいし よういちろう)の活動報告

利権屋や某カルト団体の政治圧力の暴走捜査などの嫌がらせにもめげず、利権や不正とたたかっています。

知らない人に付いていったら・・・・・? マレーシア編

 海外の一人旅で、知らない人についていってはいけないというのは鉄則です。

 そんな事は百も承知で、付いて行ってしまいました。さて、どんな事に出くわすのか?

 タイでの例大祭が終わって、せっかくなので帰国を数日のばして一人旅をする事にしました。さて、どこに行こうかと考えていたところ、「マレーシアのマラッカが世界遺産に!」という話を聞き、マレーシアに行ってみることにしました。
 マラッカ海峡というと、海賊という認識だったのですが、行って見たら観光地。「中国系、インド系、マレー系が混在しているが、民族紛争も起こさずどうやって折り合いをつけているんだろうか。」と東西の人と文化が渾然一体とした街を歩きながら考えてました。

 知らない人についていってしまったのは、マラッカから国際空港のあるクアラルンプールに戻ってきた時です。
 安いホテルは無いかなと、チャイナタウンの雑踏を歩いていると。

 「いい靴ですね。」と現地の男に話しかけられました。

 イオンモールのセールで買った運動靴です。

 彼はなおも、親しげに話しかけてきました。「ジャカルタから来たんだ。」などと言ってました。「うさんくさいインドネシア人だな。どこか行ってくれないかな。」と思うんですが、邪険にも出来ずにいました。
 しばらくすると、女の子の二人連れが寄ってきました。「妹と従兄弟だ。」。

 「小錦の妹がスザンヌって事があるだろうか?」というような西洋人風の顔した色白の妹と、どうみても純血マレー人という顔の従兄弟の女の子二人連れです。血が繋がっているとは思えません。

 さて、この白人風の妹から、「日本の人に相談に乗って欲しいことがあるんです。話聞いてもらえませんか?」と懇願するので、聞いてみると、「末っ子の妹は18歳で、今度、千葉大学に留学するんです。千葉大学から書類が来たのですが難しい日本語で書いてあるので分かりません。見てもらえませんか?」。

 千葉大学だって、英文で書類を送るだろうにと思ったのですが、まあ、急いでいる訳でもないし、近所だというので、彼女たちの実家に行くことになりました。タクシーで10分ほど、郊外のそこそこお金持ち風の一軒家です。ついてみると、彼らの姉から、「母と末の妹は病院に行っているので、ちょっと待ってもらえないだろうか?お昼ごはんがあるから食べてください。」と、マレー料理のもてなしを受けました。味付けが濃くなくて日本人にも食べやすい味でした。

 食事が終わる頃、彼らの叔父がやってきました。この叔父が大変な曲者でした。
 「俺は、豪華客船のカジノの責任者をやっているんだ。こんど遊びにきたらブラックジャックで勝たせてあげるよ!」と、ヨレヨレになった客船のパンフを見せてくれました。

 スタークルーズっていう船です。
 http://www.ncljpn.jp/sc/

 初対面の人間にカジノで勝たせてやるなんて口が裂けても言うだろうか。バレたらクビじゃすまないだろうし、こいつらやっぱりヤバイ連中だぞ、さて私はどう料理されてしまうんだろうかと身構まえました。
 その刹那、朝のバスターミナルで何事か叫んでいた両肩切り落とされたおじさんや、手足を切り落とされた乞食などが一瞬頭をよぎります。   明日はわが身かも・・・。

 この曲者「ビールいりませんか?」と言うのが勝ち逃げのサインだから、「ビールいりませんか?」といわれたらゲームを止めるんだよと、カジノでの不正方法を延々話してました。

 ヤバイので、「ギャンブルやらないし、興味ないから!」。不審がられたこの叔父、自分のパスポートを私に見せて不審感を払拭しようとするんですが、ミドルネームのジミーという欄以外は指で隠してみせるんですから、こちらの不審感は増すばかり・・・。

 突然、話が変わって、「日本は物価が高いでしょう。どんなクレジットカードが良いんだろうか。見せてくれませんか?」とこの一族から言われたので、私のカード見せてあげました。

 緑色のファミマ JCBカード。

 JCBカードって、海外では使えない場所多いので・・・。
 この連中、クレジットカードを使って巻き上げるつもりだったのでしょう。彼らが肩を落としたように思えました。

 彼も努めて平静に、「VISAとか持っていないのか?」とか言うので、「持っていない!」。
「これが、日本で一番良いクレジットカードか?」

 「YES!」 本当はVISAも持っていましたが。

 また、曲者の叔父がギャンブルの話題を始めました。「昨日、香港人たちとブルネイ人のオカマとマージャンをやった。ブルネイ人のオカマをインチキマージャンのカモにしたので、ブルネイ人は9万ドルも負けた。なのに、香港人は分け前を500ドルしか渡さなかった。損した。」

 そんなぼやき節を言いながら、「ブラックジャックの技を見せてあげるよ。」と隣の部屋に案内されました。書斎とおもいきや、机は机でも緑色の生地をはったカードの専用台が鎮座していました。

 自由自在に絵札やエースのカードを思い通りの場所に潜り込ませる技を披露していたところ・・・

 「ブルネイ人のオカマが来た!」
 
 とっさに、この曲者の叔父、通訳をしてくれていた西洋人風の妹にサッと200ドルを手渡しました。
 
 「ブルネイ人のオカマをカモにしてやろう!」

 ブルネイ人をカモと見せかけて、私をカモにするんだなと悟ったので、席を立とうとしたのですが、強引に席に引き戻され、通訳の女と私はチームされ、私の前にカードが配られ、いつのまにやら私が1ゲーム目を勝ってしまい、私の前に50ドル分のコインが増えていました。


 やらないと言っているのに、また、カードが配られました。私のカードは絵札と9で19です。
相手のカードの合計は16と曲者の叔父がサインを送ってきます。ブルネイ人が次に取るカードもこちらにチラッと見せます。6! 
 所詮インチキブラックジャックなので、私のカードが勝つように仕組んであります。

 相変わらずやらないと言っているのに、通訳の女が勝手にゲームを始め、私の前の250ドルを賭けてしまいました。ブルネイ人は100ドル分掛け金を上げてきました。

 「降りる!」

 通訳の女が、「絶対に勝てるのにどうして降りるの?叔父さんは200ドル損してしまうじゃない!」

「そんな事は知らない!」

 ブラックジャックは、相手が掛け金を上げたら、こちらも受けなきゃいけないという点がミソで、いくら良いカードが配られようが、掛け金を吊り上げたもの勝ちなんです。(それまでやった事がないので、知りませんが、今回、そう説明を受けました。)
 
 こうやって、こいつら人の善意に付け込んでカモにしているんだと思ったので、私はポケットの財布をぎゅっと握り締めていました。自分の財布から1円たりとも出さない!

 曲者は、私にサインを送るだけでなく、ブルネイ人のカードをひっくり返して私に見せる事までしました。ブルネイ人とグルになっている事がはっきり分かったので、再度、「降りる!」

 長い長い沈黙が流れました。

 私はどうなっちゃうんだろうか?

 身ぐるみはがされて、撲殺されるか、魚のエサにでもなっちゃうんだろうか?
 でも、この程度の事で殺人まではさすがにやらないだろう。始末が大変だろうし・・・。

 両腕ちょん切られたり、目を潰されて乞食にされてしまうのだろうか?
 でも、マレー語が出来ない日本人を乞食にはしないだろう。

 若い女なら売り飛ばされるかもしれないけど、私じゃ買い手もつかないだろう。

 でも、ただじゃすまされないな!

 血が逆流して、頭の中を激流のように流れるのを感じながら、そんな事を考えていました。

 どれぐらい時間がたったのでしょうか?

 私が席を立とうとすると同時に、曲者が、ブルネイ人に掛け金を放り投げ、終わりになりました。

 それだけでした。

 通訳の女は、「今日は妹たちが病院から帰って来れなくなった。今日は書類を見てもらえない。」などと言い出し、詐欺師一家の車で、再びチャイナタウンに送り返されました。
 車中、山奥に捨てられるかも?と思ったけど、何事もなくチャイナタウンで開放されました。

 最後に、「これから、チャイナタウンでホテルを探すのか?」と聞かれたので、「そうだ。」と答えて別れました。

 即、チャイナタウンから離れて、別にホテルを探したのはいうまでもありません。

 善意だろうが、面白半分だろうが、海外で知らない人についていったら危険です。