ちょうど一年前、武蔵村山市の議員報酬を上げるとの話があり大騒動になりました。市民の皆さんが反対署名をしてくださった事、マスコミでも書かれた事などが重なり、市長は議案提出を断念しました。
さて、市議会議員は議員共済といういわゆる議員年金に入っています。市町村合併と全国的な議員定数のあおりを受け、受給者ばかりが増え、議員共済の財政は厳しい状態になっています。そのしわ寄せで、議員報酬からの天引きは増え、将来の受給金額は下がり、出来れば加入したくないと思っています。
議員共済の制度を良く見てみたら、議員報酬を下げて手取りを増やす方法が見つかりました。
明日は、市議会議員の研修会で多くの議員さんが来るので皆さんに提案して3月議会に条例を出そうと思ったのですが、条例提案は今日が締め切りとの事!
残念ですが、根回しに時間をかけて全会一致で条例提案を目指すことにします。
以下が、提案内容です。
簡単に言うと、議員報酬を500円下げると、手取りが一ヶ月約1100円増えるという話です。
そして、市の予算も年間約54万円削減出来るという話です。
せこい話ですが、以下の内容にお付き合いください。節約の積み重ねが大事です。
武蔵村山市議会議員の議員報酬、費用弁償等に関する条例の改正について
提案内容
議員報酬をそれぞれ以下のように改正する。
議長(1名) 504500円(500円の減額)
副議長(1名) 458000円変更なし
常任委員長(3名) 444500円(500円の減額)
議員(15名) 435000円(500円の減額)
ねらい
市議会議員共済制度において、現在の議員報酬額では非常に不利な状況になっているので、議員報酬を減額する事で改善が出来るためです。
現在の報酬と共済掛金の状況
(円)
報酬額 標準報酬月額 掛金 給付費負担金
議長 505000 510000 81600 84150
常任委員長 445000 450000 72000 74250
議員 435000 440000 70400 72600
掛け金と給付費負担金の基準になる標準報酬月額は例えば435000円~444999円のように5000円を基準一万円刻みで設定されています。そのため、武蔵村山市の議員報酬のように下4桁の報酬額が5000円になっている時がもっとも不利となっています。また、給付費負担金とは、自治体から市議会議員共済へ支払うお金です。
各々の報酬を500円減額した場合 (円)
報酬額 標準報酬月額 掛金 給付費負担金
議長 504500 500000 80000(-1600) 82500(-1650)
常任委員長 444500 440000 70400(-1600) 72600(-1650)
議員 434500 430000 68800(-1600) 70950(-1650)
報酬を削減した結果
議員報酬は500円下がりますが、掛金は1600円も下がるため、手取りが月1100円増える事になります。ただ、期末手当は標準報酬月額でなく、報酬額の7.5%となっているため期末手当の手取りが若干減る事にはなります。しかし、トータルすると一般議員で手取りが年間約1万3000円増える計算になります。
一方、市の予算をどれぐらい削減出来るかと言うと・・・
1650円(給付費負担金の削減額)×12ヶ月×19人=376,200円
500円(議員報酬の減額分)×12ヶ月×19人+500×1.2×4.65ヶ月(期末手当)×19人=167,010円
376,200円+167,010円= 543,210円
年間54万3210円も市の予算を削減する事が出来ます。
デメリット
とは言っても、デメリットは退職年金(議員年金)が減額されることです。例として19年4月1日以降に議員になり、12年議員をした場合の議員年金を比較してみます。
標準報酬月額 在職12年時の年間支給額
440000円(現状時) 1,232,000円
430000円(改正時) 1,204,000円
差額 -28,000円
以上のように、年間2万8000円が減額となりますが、12年間合計では15万6千円の手取りが増えているので、デメリットを上回るメリットがあると考えます。さらに、市町村合併と議員定数削減、高齢化により、議員共済制度は、支給額の減額と掛金の増額が何度も行われており、今後も、将来に渡り安定的に退職年金が支給される保障はありません。
多少のデメリットはありますが、議員報酬を500円下げるというのは、勝手にどんどん改悪される議員共済制度に対するささやかな抵抗になると思います。
今、地方議員をしている者にとって議員共済は殆ど加入のメリットが感じられません。脱退する自由を与えてくれるとうれしいです。