15日土曜日の午後、明治大学にて「アジア人権人道学会 第2回大会 脱北とは何か」 が開催されました。
申東赫さんは、「収容所に生まれた僕は愛をしらない」という著作があります。
是非、ご一読をお勧めします。
拷問に虐殺、強制収容所の実態のあまりのすさまじさに、読んでしばらくは鬱々として、車を運転中に自損事故を起こしてしまいまいた。
「平壌の水槽」という収容所の体験をつづった著作があります。
強制労働と公開処刑の日々で、精神が崩壊してゆく過程も書かれています。恐ろしく悲惨な内容です。
もし、どちらも未読でしたら、「平壌の水槽」を先にお読みになる事をお勧めします。申氏の著作は、著者が収容所で体験した火あぶりの刑など受けた拷問の詳細な描写があって、あまりに残酷すぎて、いきなり読むと心理的なストレスが大きすぎますから。
姜哲煥氏の話の内容は、本に書かれた事はもちろんですが、収容所に入れられ本人の心理状況の変化を話されました。気性が荒くなり、人を信用できなくなった。だんだんと人間性を失って行き、獣のようになって行ったとの事でした。脱北して、キリスト教と出合い、精神の安定が得られるようになったと話されていました。
ただ、一度収容所の経験をすると、なかなか人間性を取り戻す事は難しく、収容所を脱しても精神異常をきたす人がたくさんいるとの事でした。昨今、北朝鮮社会は一般社会ですら、当時の収容所の水準に近づいてきているとの事です。近い将来に訪れる金正日体制の崩壊後、日本のような近代福祉国家へと移行してゆくのは一筋縄ではゆかないのではと考えさせられました。
日朝友好を訴える地方議員がいますが、これらの本を読んだ事があるのでしょうか?
主体思想の本は読んでるかもしれませんね。
脱北者はここ数年急激に増加して年間2000人以上になっています。ただ、中国政府が各国大使館に脱北者の受け入れを止めるように通達を出した事もあり、中国、ラオスを縦断してタイまで逃げてゆかないといけない現状になっているとの事です。
脱北者の急激な増加など、ベルリンの壁崩壊前夜のように思いますが、北朝鮮が崩壊し、一般的な民主国家へと変貌した場合、中国は現状の体制を維持できるのか?中国の政権維持のために脱北者の妨害を行っているように思えます。
荒木代表の、山崎拓の裏工作でもなんでもいいから、どうやってでも取り返すべきという話が印象に残りました。
また、西岡力先生のレジュメの「生存者86名 40%は社会生活 40から50%は特殊機関 10%から15%は収容所」というメモは非常に気になりました。情報の出所や確証などもうちょっと話を聞きたかったです。
延々と、約6時間という大変な長丁場でしたが、発表者の皆さんがそれぞれ筋金入りの方たちばかりという事もあって、有益な情報が飛び交う報告会でした。
脱北とは何かというテーマでしたが、本当の意味で脱北する必要があるのは、
親金正日のエセ人権学者や活動家
ではないかと思います。