23日に、李登輝友の会主催で、日台共栄の夕べが開催されました。私の役割は受付担当と決議文朗読です。事前の準備もあるので、午後1時には市ヶ谷の私学会館に到着しました。
今回は、メインの講演が金美齢さんでしたが、私は受付をしながら、金美齢さんの講演の後に行う決議文朗読の練習をしていたため、講演内容が聞くどころではありませんでした。
そんなことより、今回は政権交代があったせいでしょうか? 今まで顔を見せなかった自民党国会議員が参加されました。 その中には元総理の森喜郎氏の姿が。
受付にいましたら、相撲部屋の親方のような恰幅の良い人がやってきました。森元総理でした。
森元総理はどんな挨拶をするだろうかと聞いてみましたら、以下のような内容でした。
最初、今年の選挙で苦労した話をして、民主政権の問題点などをしばらく話した後、台湾の事を話し始めました。
「地元の金沢と台湾には国際便が飛んでいるので、台湾からのお客さんがたくさん来てくれて本当にありがたい。和倉温泉の加賀屋にも大勢の方に泊まっていただいている。加賀屋さんも、感謝の気持ちから台北に新しくホテルを作る事になった。」
そして・・・
「台湾は日本にとって本当に大切な国である。」
おっ!森元総理が台湾を国と言い切ったぞ! 偉い! と思ったら・・・
「大切な地域である。」と言い直してしまいました。
口が滑ったにしても、台湾を国と発言してくれた。その心意気や良し!と、会場も元総理の挨拶を真剣に聞いておりましたら・・・。
「日本人は、歴史を知らなすぎる。戦後、ドイツも朝鮮半島も分断されてしまった。日本は幸いな事に分断されずにすんだ。日本が分断されなかったのは蒋介石さんのおかげです。蒋介石さんに日本は感謝しなくてはならない。そういうことをみんな知らないんだ。」
会場は皆、「・・・・・・・・・・・・・・・」
声も出ませんでした。30~40年前ぐらいまでは一部通用した蒋介石神話を未だに信じているとは!
それも、白色テロの蒋介石政権の中、台湾独立のために命がけで闘ってきた金美齢さんの前で言い切ってしまうとは!
やはり、「サメの脳みそ。」と評されるだけの人です。
誰か、戦後の台湾史を森元総理に教えてあげてください。この程度の認識で本当に大丈夫なのだろうか?
佐藤優の著作では、ロシア問題には詳しいと書かれているし、森元総理の地元、白山市議の大口さんの話では、「意外としっかりしている。」と聞いていたのですが。
方や民主党からは、中津川議員が来られていました。こちらは、李登輝友の会にいつも来られる方で台湾問題に詳しい方です。中国共産党の人権弾圧に熱心に取り組む稀有な議員さんです。
「中津川さん、民主なのに来ちゃって大丈夫なの?」と、むしろ心配になります。
自民も民主も、正しい知識をもって議論をして欲しいものです。今の民主政権の混乱も、いい加減な認識でマニフェストを作ってしまった事にあると思いますし。