JR東日本3日間乗り放題の3連休パスを使って鉄道の旅です。
前から行きたいと思っていた恐山に行くことにしました。恐山は冬場は閉山してしまうので、「行くなら今だ」とばかりに電車に乗りました。
立川駅で、東北新幹線「はやて」の座席を予約していたのですが、大宮駅に着くと「やまびこ」が出発間際だったので、とっさにそちらに乗りました。乗って気付いたのですが、「やまびこ」は各駅停車でした。
予定を変更して、中尊寺に行くことにしました。一ノ関についたら丁度、定期観光バスの出発時間でした。これは良いと乗ってみたのですが、中尊寺への道路は大渋滞。お寺は大混雑で落ち着いて拝観する余裕など全くありませんでした。毛越寺なども回ったのですが、結局どこも駆け足で見学する事になり、昼食はおろか団子一本食べる時間すらありませんでした。
神社仏閣はツアーで行くものではないですね。
これで一日が終わり、八戸に泊まる事にしました。空室を探すことビジネスホテル6件!なんと全て満室! 居酒屋でスーパー銭湯を紹介され、据えた臭いのする休憩室で絶え間ない大イビキの中、ソファで寝ることになりました。
翌日は早起きして、2時間30分かけて、9時30分には、恐山に着くことができました。
恐山には、恐怖スポットのようなイメージがあったのですが、実際は、比叡山、高野山と並ぶ3大霊場というだけあって厳粛な気持ちにさせられる場所でした。ただ、比叡山・高野山が仏教を学ぶ場所であるのと比較して、恐山はまさに霊場といった趣がありました。硫黄臭の蒸気が吹き出る道々、いたる所で積み上げられた小石が三途の川を思わせ、この世とあの世、人の生と死を感じずにはおれませんでした。
人の心を内面へと向かわせるのでしょうか?皆、静かに参拝をされていました。
そんな中、私の前で記念写真を撮影していた女性が突如、目を大きく見開きその場で凍り付き、搾り出すように話している声がしました。
「岩に、かっ、顔認証が8つも出ている・・・・・」
そのカメラの先には彼女のご主人が一人、岩場の前で立っているだけです。顔に類するものは一切ありません。
とは言え、ごく当たり前に、生と死が共存している気持ちにさせるせいか、不思議と薄気味悪い思いもせずに、「ここなら、そういう事も起こるだろう。」と当たり前のように感じる場所でした。
恐山というと、怖い場所となんとなく思っていましたが、逆に本当に落ち着ける場所でした。
興味を持たれたら、是非行かれると良いと思います。
どんなに文章を重ねても、伝えきれない場所でした。