「NHKによる捏造偏向報道をゆるすな!」のシュプレヒコールがNHKを渦巻きました。
なんと、「NHKに抗議する国民大行動」には1100名以上の市民が集結しました。予想をはるかに上回る人波に、NHKへの抗議のデモ行進は一つでは収まりきれず、3隊に分けて行進すると言う事になりました。
スタッフの一員兼地方議員でもある私は、急遽、第2隊の先頭でメガホンを持ちました。NHKスペシャル「JAPANデビュー アジアの一等国」という番組があまりに偏向していると言う抗議で、こんな事になりました。
この番組の内容は、日本の台湾植民地支配について検証しています。
日本が、台湾の漢民族や原住民を精神的にも、実質的にもいかに痛めつけながら統治したというコメントや映像が積み重ねられている番組です。膨大な資料にあたって製作した事は良く分かります。でも、細かい話ですが、植民地時代の台湾人は、原住民と漢民族だけと言い切ってしまうのは無理があるんではないでしょうか?大陸から渡って来た人達という意味で華人と言う方が適切なのでは・・・・。
などなど、細かい説明が重なる故、「はあー?」と首を傾げたくなる、突っ込みどころ満載の番組に仕上がっています。
細かい事はさておき・・・・。
この番組の内容に激怒した、親台の日本人、そして、著しく蔑まれたと怒り心頭の在日台湾人、また、台湾からも台湾人の人達が「台湾魂」と大きな旗を振りかざし駆けつけ、1000人を超える規模になりました。加えて、会場には日章旗・台湾旗だけでなく、チベット旗・東トルキスタン旗もはためいており、新華社通信を思わせる番組に対して、アジアの平和と人権を切望する多くの人々が集結しました。
「国民大行動!」と銘打っていますが、日本国民だけでなく、すでに国際問題です。
朝日新聞系なら「NHKに1万5千人の抗議デモ!」と見出しをつけることでしょう。沖縄の集団自決の例にならえばですが。
しかし・・・・・。なぜかNHKはおろか、民放テレビ局の取材が見当たりません。
特に、昨晩のNHKのニュースは何を放送したんでしょうか?
当初、5時過ぎに終わるはずのデモは、人が集まりすぎて、デモが終わったらすでに午後6時。
その後、7時近くまで、デモの参加者がNHKを取り囲み、
「NHKは柯徳三さんに謝罪をしろ!」(インタビューを都合良く編集されてしまった台湾人の方)
「プロデューサー出て来い!」
「受信料拒否!!!」
と怒りの声が渦巻いていました。
2ちゃんねらーらしき方の
「NHKさん。落し物ですよ。・・・良心。」
というプラカードには思わずニヤリとさせられました。
今回のデモを、インターネットなどを通して知り、それをまた呼びかけ参加した方が非常に多かったようです。
話は変わりますが。
先日、テレビの週間視聴率ランキングを見ていて、上位30番組の内、10ぐらいがNHKのニュースで、上位なのに視聴率10%台という事に気が付きました。みんなもう、テレビを見てないんですね。
今回の出来事はテレビメディアの完全な凋落を白日の下にさらす事件として語り継がれて行くことになると思います。
「太平洋戦争で日本軍は負けても、連戦連勝と嘘の情報を国民に与え続けました。」というのは、戦争番組の定番ですが、都合が悪い事は報道しないという点では、NHKは全く変わっていません。NHKへの抗議を報道しないのですから。
JAPANデビュー 日本の一等国の番組云々より、これだけの抗議行動を全く報道しない事の方が、NHKのみならず、既存の報道機関に対する信用失墜につながると思います。
ドキュメンタリー映像作家の森達也の本を最近何冊も読んだのですが、その中で、主観を除いた公正中立なドキュメンタリーなどありえない。作り手の意図が反映される。ドキュメンタリーを公正で中立と考える方がどうかしていると語ってます。
JAPANデビューに、どうしても作り手の思想が現れてしまうのは仕方が無い。
でも、多くの人々の抗議に対して、正面から受けれないのでは、作り手の資格は無いのではないでしょうか。
NHKはどこかに落としてきた良心を探しだして、NHKスペシャル「新シルクロード」で、東トルキスタンでの、核実験での被爆者の取材などをしてもらいたいと思います。
また、NHKに良心が残っていれば、「海角7号」のようなドラマも作れるのではないでしょうか。
NHKさん、落し物を探してみてください。