西川一三さんと聞いても知っている人はほとんどいないと思います。
数日前に届いた地平線通信を見ていたら、西川一三さんが2月7日に逝去されたと記事が掲載されていました。
西川さんは、戦争中、興亜義塾(現在の亜細亜大学の源流)で教育を受け、モンゴル人の僧になりすまし、単身、内モンゴルからチベットへと潜入された方です。当時、西域の地理はほとんど分かっておらず、大変貴重な情報をもたらしたそうです。戦後、インドで発見されるまで8年間も西域を彷徨っていた西川さん、見つからなかったらまだまだ旅はつづいていたようです。
2年前の正月、マイナス20度、時には30度にまでなるモンゴルに、この西川一三さんの「秘境西域八年の潜行」を持ってゆきました。
モンゴル国と内モンゴルではかなり距離があるとは言え、西川一三さんは60年前、この大平原を渡っていったんだなあと感慨にふけってました。モンゴルもチベット仏教の国なので、ダンカン寺まで行ってマニ車をくるくる回していました。
まだ、行った事が無いですが、チベットに興味をもつきっかけとなったのが、この本でした。
戦後は、理美容材卸業を営み、働き者のおじさんとして過ごしたそうです。比類無い専門家であるのに、一市井の人を貫いた姿にすごく惹かれます。
ご存命中に一度お話を聞きたかった方です。