ここが高速道路の終着点!
監視員が受付をする間、トイレと土産物屋に行く。しかし、北朝鮮の土産物屋には欲しくなるようなものがこれっぽっちも売っていない。焼酎やら朝鮮人参やら、あと、愛嬌の無い民芸品。
金正日じゃ、人民の心も荒むだろう。
受付の所で、中国人観光客の一段と合流する。中国人のおばちゃん軍団がべちゃくちゃ話すので、軍事境界線という緊張感のかけらが一つもなくなる。
桑田真澄に似た軍人が、板門店地域の巨大ジオラマを使って解説を始める。当然、暖房は入っていなくて非常に寒い。暖房は無いのに、必ずあるのは金日成・金正日の写真。
説明を受けてからゲートを通って、再びバスに乗る。このゲートは、さっき撮影禁止と言われ、撮影を控えたのだが、中国人のおばちゃん軍団は平気で撮影してる。今度はビデオ撮影をしても軍人たちは文句も言ってこない。
精強で鳴らす北朝鮮人民軍も、中国人おばちゃん軍団の前ではなすすべもない。
ここから先、板門店のエリアまでの道は両脇が壁になっている。壁からひょいと、外をのぞくと農地になっていて、子どもたちが遊んでいる。板門店エリアの回りは地雷でも埋まってるのかと思っていたので、牧歌的な風景におどろいた。
板門店エリアは、鉄線が張り巡らされていました。どうも、電流が流れているようだったので、
「これ、電気がながれているの?」と聞くと
李監視員は「触ってみます?」。
帰国後、ここで撮影したビデオを見ながら南郷氏に、「触ってみたら良かったのに・・・。そんな電気流す余裕多分ないでしょう!」と言われる。
国連軍と、北朝鮮の休戦協定の調印場所などを見学してから、いよいよ、38度線に・・・。
まず、巨大な石碑を見せられる。金日成主席の最後のサインなんだそうだ。
「本当にくだらない物を作るなあ。」と聞き流しながら、周りのアンテナなどの施設を撮影していたら、兵隊がやってきて、撮影を止めさせられる。
よくテレビなどで見る板門店の建物前に来る。銀色の建物は北朝鮮が作り、青い建物は韓国が作ったのだそうだ。北朝鮮が作った建物の方がちょっと立派!
韓国側の観光客が見えるので、「おーい!!」と手を振ってみるが、誰も振り替えしてくれない。アメリカ人っぽいが、愛想無いなあと思う。
南郷氏に聞いたら、「韓国側の見学者は手を振り返してはいけないと指示をされているんです。」。
いよいよ休戦ライン上の建物に入って見学と言う事なのだが、韓国側の観光客が説明を受けているので、手前のビルの屋上展望台で時間を潰すことになる。
内部は総大理石で立派な建物なのだが・・・・。
・暖房は当然入っていない
・エレベーターも無い。
展望台から、韓国側を見ると、「えーっ!なんで、北朝鮮国旗がはためいているの?」。
板門店の休戦ラインは入り組んでいるので、北朝鮮に韓国がねじ込んでいるような形になっているんだそうだ。
ようやく、休戦ライン上の建物へ入る。中から、休戦ライン上で警備している北朝鮮兵の写真などを撮る。
韓国側からの観光客は、中から外を撮影するのは禁止らしい。
韓国より北朝鮮の方が自由な不思議な空間、板門店でした。
帰国後、調査会の村尾理事より、「焼肉食いに行って来る!」って言って、そのまま韓国側に抜けてみればよかったのに・・・・と冗談を言われる。
でも、韓国側の扉に北朝鮮人民軍兵士が2人無表情で突っ立っているので、さすがに無理でした。
パスポートも取り上げられているし・・・。
中国人のおばちゃん軍団と一緒だったためか、全く緊張感の無い板門店観光だった。