日本会議経済人同志会にて、台北駐日経済文化代表処 許世楷代表が話をされるというので、参加してきました。
台北駐日経済文化代表処って長い名前ですけど、一体何かというと、台湾大使館のことです。
1972年の日中国交正常化により、日本は中華民国(台湾)との国交を断ちました。日華断交と言います。中国共産党の手前、中華民国(台湾)は大使館を作れないので、台北駐日経済文化代表処を作っています。ですので、許世楷さんは、台湾大使と言える立場の方です。
余談ですが、台北駐日経済文化代表処って覚えづらいですね。先日、李登輝先生のレセプションの受付をしていた時、代表処の人にこう言われました。
「台湾人はお金の方が大事だから、文化より経済が先に付くんですよ。」
以来、よどみなく台北駐日経済文化代表処と言えるようになりました。
許世楷閣下は、日本と台湾は外交上お互い一番重要なパートナーであるというような話をされていました。李登輝先生のエピソードを交えながら、国交は無くても、お互い心から信頼出来る関係なのではないかと話をされてました。
また、民主主義の重要性、共産党独裁の暗澹たる将来について話されました。
食事を交えながらの会でした。出席者から、台湾の中国投資についての質問がでました。
許世楷閣下は、「中国に進出したは良いが散々な目にあっている台湾企業が多数ある。中国にだけ進出するのは危険だから、ベトナムなど、各地にバランス良く進出するようになってきている。」との事でした。
また、「独裁政治は、倒れる前日まで、まさか倒れるとは思わないものだ。中国だってわからない。」とも話されました。
酒が入っていたせいか、
「アメリカは中国にF22を売るんじゃないですか?」とか、「日本は空母を作って台湾を守りにゆきたい!」など、あれれれーと言う質問にも、ニコニコと答えておられました。
せっかくの機会です。もう少し中台関係を勉強されてから来るべきではと思います。
私も地方議員の会と言う事で紹介されたついでに質問させてもらいました。
「中華民国憲法を改正するべきではないか?民国憲法の領土に関する記述を削除すれば、台湾独立とも大陸反攻ともとられる事が無くなる。今の民国憲法では、沖縄はおろか日本まで中華民国と言われかねない。」と言っていたら、
「そのとおり!」と西村眞吾議員より声が上がりました。
許世楷閣下も、「そうするべきだと思う。ただ、李登輝総統時代に、選挙を行うエリアを規定したので、実質的には選挙を行っている地域が(中華民国)領土と考えることが出来る。日本も領土だと言う事は絶対に無い。」とおっしゃってました。
「馬英九など反日派が、総統になったら分からないのでは。」と閣下へのお礼に付け加えておきました。
西村眞吾議員からは、「集団的自衛権の論議は、頭の体操だ!意味の無い議論だ!核大国のアメリカが攻撃された時、核の無い日本が集団的自衛権を発動して何の役に立つのだ!なんら役に立たないではないか!中国の核配備、北朝鮮の核開発がある。国会では現実的な議論がされていない。恥ずかしい。」との話がありました。
アメリカから見た集団的自衛権での日本の評価という視点は新鮮です。
現実的に国際情勢を考えている人の話は示唆に富んでいます。